「うるせー!」をなぜ叱ってはいけないのか。

今日も子どもたちに会うのが楽しみだなあ。
今日はどんなオモシロイことがあるかなぁ。
朝からワクワクして自転車を漕ぎ、教室に向かう。

笑い声がたえず響くある日ののびーくルーム。
お互いに冗談を言い合って、
仲間と過ごすのが本当に嬉しそう。
くだらないことから、いろんなことへの不満、
おもしろかった漫画、ちょっと真面目なお悩み相談など、
オシャベリは尽きず。

いつもこんな風に和やかだったらいい。

けれど・・・

 

学校に合わず、「行けなく」なり、
(「行かないことを選択した」と私は考えるけど)、
自分をダメ人間のように感じ、悩み傷つく子どもたち。
最初から、周囲に親しみを持てないのも当然のこと。

また傷つくようなことにならないか、
警戒し、防御のために殻をかぶり、
ときには自分を守るために攻撃する。

そうしたくもなるよね。

だから、
何を言っても「うるせー」と返ってきても、
返事もせず冷たい視線を送られても、
「コロすぞー」と石を投げられても、
全く気持ちは動じない。

私に対しての言葉じゃないのを知っているから。
自分の中に積もった気持ちを
安心して私にぶつけているだけなのを感じているから。

「そんなこと言ってはダメ」なんて叱ったら、
たちまちまた心を閉ざしてしまうだろう。
そんなことわかっているから、他では言わないんだよね。
そんな言葉を吐かずにはいられない気持ちがあるんだよね。
私にぶつけている限りは、そのまま受け止める。
他の子を傷つける場合は、ちがう対応が必要だけど。

ずっと暴言をはいているなんてことはない。
風船にプチッと穴があいたかのように、
たまったものがシューッとぬけていき、
トゲトゲしたものが消えていく。
言葉はかわらずとも笑顔の温かいやりとりになっていく。
急にすべてを変えるのは、少し気恥ずかしいものね。
たぶん少しずつ、言葉もやわらかくなっていくでしょう。

全く気持ちは動じない、と書いたけれど、
やっぱり心が痛いこともある。人間だもの。
そんなに私が憎い?と悲しくなってしまうことも。

でも、変わらず受け止めることが私からのメッセージ。
決してイヤになったりしないよ。大丈夫だよ。
でも、そういう態度はつらいんだよねえ。
受け止め、フラットに気持ちを伝えればいい。
そして、関係を紡いでいけばいい。

悲しいニュースを見るたびに、
だれかこの子の気持ちに気づいていたのかなあ、
気持ちを吐き出すところはあったのかなあ、
と思う。

子どもが気持ちをぶつけてきているのに、
「そんなこと言ってはだめ」と突き放していませんか?
その言葉の裏にある気持ちを見ていますか?
真正面から対決するのでなく、
遊び心を持ってやわらかく受け止められるといい。                  

そうでないと、風船はふくらみ続け、
いつかパチンとはじけてしまう。

学校に行っていない子はまだいいのかもしれない。
学校に行かないことに、気持ちが現れているから。
そこにある気持ちを、くみ取っていきたい。

暗い思いを抱えている子を
学校に行っているから、大人しく教室にいるから、
「問題ない」なんて見過ごしていないだろうか。

子どもの気持ちに気づける第三者があちこちにいたり、
気持ちを吐き出せる場があちこちにあるといいな。
のびーくもその一つでありたいなあ。

「中学校は行くよ」
元気になって新たな一歩を踏み出していく子どもたち。

不登校を選んだら。
理由を考え続けたり、学校に行ける方法をさがしたりするのは遠回りになることも。
そのまま受け止めて、
ガス抜きして(ここを大事にしています)、
楽しく過ごせばいい。
「これでいいんだ」。
そう思えたら、自分に合った道を見つけたり、
学校が抵抗するほどのものではなくなったりする。

勉強や将来を心配するより、
まずは「今」を、そっと見守りたいですね。

 

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