不登校の悩み④「同世代とのコミュニケーションの不足をどうする?」
講演会「悩まないで、不登校」で寄せられたご質問について、「10のこと」としてお答えしていくシリーズ、本日は第④回です。いつもお読みいただきありがとうございます。
①「学校に行かない」子どもの葛藤 家庭を安心できる場に
②「ゲームばかり」をどうする?
③勉強の遅れ、どうする?
③続・勉強の遅れ、どうする
④同世代とのコミュニケーションの不足をどうする?←今回はココ
⑤運動不足、体験不足をどうする?
⑥HSC 敏感過ぎる子、「0か10か思考」の子
⑦友達トラブル いやな記憶をどうする?
⑧生活リズム、登校ペース、これでいいの?
⑨好きなこと、志望校、将来、どう見つける?
⑩親のキモチ、きょうだいの対応
今回は④「同世代とのコミュニケーションの不足をどうする?」 です。
不登校で心配としてあがることの1つが、
「コミュニケーションの力をつけられないのでは」ということです。
「勉強はいいけど、集団生活の中で培うコミュニケーションスキルはどうしたらいいでしょうか」
「集団生活を経験していないと、
社会に出て困るのではないでしょうか」
などと、ご相談でもよくお聞きします。
では、学校に行けば、
どの子もコミュニケーションの力がつくのでしょうか。
子どもたちの姿からは、そうは思えません。
コミュニケーションが苦手なお子さんの中には、
学校では、貝のように口を閉ざしている子も多いです。
からかわれた時、どう返していいかわからない。
もめた時、言い分をどう伝えたらいいかわからない。
うまく伝えられなくて、いつも聞き返されてしまう。
そんな経験を重ね、
「どうせわかってもらえないから黙っていよう」
「面倒なことになるから、言わずにいよう」
「何も言われないように静かにしていよう」
と決め、気持ちも閉ざしてできるだけ周囲と関わらずにやり過ごしてきていることも多いです。
学校に行っているから、集団の中にいるから、
コミュニケーションの力が伸びるわけではないのです。
家庭や少人数の場の中で、伝えること、伝わることを経験していく方が、よほど力がつくと思います。
例えばのびーくの個別指導では、講師が上手に聞き取るので、安心して自分の気持ちや考えを言葉にできます。
うまく話せなくても「何言ってんの?」と聞き返されることはありません。「こういうこと?」とくみ取って言葉にしてくれるので、心配なく表現する経験を積んでいくことができます。
これは、ご家庭でもできることではないでしょうか。
フリースクールも同様です。少人数なのでひとりひとりの存在が大きく、黙ってやり過ごすことはできません。周りをまねしたり、反応を試したりしながら、やりとりを重ねていきます。
上手く伝えられなくても、スタッフがキャッチしてつないでいくので、失敗しても困るようなことにはなりません。
コミュニケーションの経験が少ないため、言葉が出てこず気持ちが先走ったり、強く言いすぎたり、不適切な言葉を使ったりということもあります。その場合は、注意するのではなく、「こう言えばいいよ」と伝えていくことが大事だと考えています。それには、関係を築いていることが必要です。
学校の学級集団の中では、そういったていねいな関わりは難しく、いるだけになっていることもあるのではないでしょうか。
学校に行かないからといって、ことさらそこを心配するのでなく、安心して周囲と関われる機会を見つけられるとよいですね。ご家庭でも、できることがあるのではないでしょうか。
コミュニケーションの力をつけるだけでなく、お子さんが安心して気持ちを吐き出せることは、次につながる大事な一歩だと思います。
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