不登校の悩み ②「ゲームばかり」をどうする?

講演会「悩まないで、不登校」(練馬区学校教育支援センター主催
の、参加者の皆さまの声にこたえるシリーズ第2回。

当日の会場の声やこれまでのご相談で多かった「10のこと」について、
ブログの場で、お伝えしていけたらと思います。

①「学校に行かない」子どもの葛藤 家庭を安心できる場に
②「ゲームばかり」をどうする?←今回はココ
③勉強の遅れ、どうする?(LDのことも)
④子どもどうしのコミュニケーションの不足をどうする?
⑤運動不足、体験不足をどうする?
⑥HSC 敏感過ぎる子、「0か10か思考」の子
⑦友達トラブル いやな記憶をどうする?
⑧生活リズム、登校ペース、これでいいの?
⑨好きなこと、志望校、将来、どう見つける?
⑩親のキモチ、きょうだいの対応
(③~は予定)

①でお伝えしたのは、私たち大人がまず優先すべきは…。
(くわしくはコチラ

今回は②「ゲームばかり」をどうする? です。

「学校には行かなくてもいいけど、ゲームばかりになるのが心配。」
「一日中、ゲームをしている。おかしくなるのでは?」

ゲームに関する心配の声、不登校の相談でも多く聞きます。

たしかに、これでいいんだろうか?という気持ちになりますよね。
「学校に行かないならゲームは禁止!」というご家庭も、あるのではないでしょうか。

でも、ゲームを取り上げることで、生活は改善するのでしょうか。
「ゲームばかり」になってしまう背景を考えることも、大事だと思います。

「リアルで人と関われない」
「することがなくてつらい」

子どもの声からは、ゲームの世界だけに自分の居場所を見出し、そこを支えに生きているような姿も見えてきます。

不登校をしていることは、時に、子どもの心に重くのしかかります。
「行けない」自分を責め、否定する気持ちをいつも抱えてる子もいます。
そんな時、ゲームは単なる娯楽を超え、救いになっているように思います。
それを取り上げてしまったら…。不安が募ります。

変えていくべきは、他の部分ではないでしょうか。

先日、ゲームのことで悩んでいる親御さんが、
「(ゲームから離れるためにも)旅行に行こうと思っている」と言うので、
「いいですね!」とお話しました。

このように、「ゲームを止めさせる」のでなく、
「ゲームをしない時間を増やす」ということを考える方が、
よいのはないでしょうか。

今年のLD学会で、
「ネット依存・ゲーム障害を考える」というシンポジウムに参加しました。
国内初のインターネット依存治療専門外来を設立した、
国立久里浜医療センター院長の樋口進先生のお話が聞けました。

樋口先生は、「ゲームを全く止めることは難しい。あせらずゆっくりみていくことが必要」だと言います。

お子さんが診察にくるにあたっても、「ネットやゲームをとりあげるということは考えない。うまくつきあっていく方法を考えよう」ということを、お父さんやお母さんから伝えてもらうそうです。

そして、「ゲーム以上に楽しいことを、知恵をしぼって考えていく」のだそうです。「高校生であれば、アルバイトするのもいい」と言っていました。

深刻な「ゲーム依存」となれば、
自分でコントロールしてやめることは難しいですよね。
そうなると、医療につながることも必要だと思います。
対応できるクリニックも、増えてきているそうです。

そうでなければ、ゲームを取り上げるのでなく、
ゲームに逃げたくなるつらいことを改善していったり、
ゲーム以外の楽しいことを見つけていったりしていく方が、
希望につながりそうです。
前を向くための過程では、
ゲームに関するルールを緩めることも必要かもしれません。

のびーくである時、
明け方までこっそりゲームをしているという
低学年のお子さんに出会いました。
はじめの頃は「なんでここではスイッチやっちゃだめなのー」
と不満げだったものの、
仲間との遊びに夢中になる中で、そんな言葉は出なくなっていきました。

「ゲームばかり」で心配になったとき、
ゲームをやめさせることでなく、
ゲーム以外の充実して過ごせる時間をどう生み出すか、
を、ぜひ考えてみてほしいと思います。

学校以外の場とつながってみるのも、いいかもしれません。
フリースクールやプレーパーク、児童館や様々な体験活動。
子どもをあたたかく迎えてくれる場所、いろいろありますよ。

 

どうぞお気軽にご参加下さい。

 

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