新学期、「学校に行ってみようかな」の時に気をつけたいこと
まもなく新学期。
「クラス(や担任)がかわったから、行けるかな」
登校チャレンジをするお子さんも多そうです。
不登校からの学校復帰にはステップがあります。
「学校に行けない」自分に傷つき、心を痛めているお子さんには、十分な休養が必要です。
心身状態も回復し、気持ちも整理できて、「そろそろ学校、いこうかな」となったなら、「行ってみたら」と促してみるのもよいと思います。
そうでない場合に、「先生もかわるから」とか「仲のよい友達と一緒になったから」などと、お子さんが自分で自分を説得して「行ってみる」と言っているようだったら、「行かなくてもいいんだよ」と逃げ道を示しておき、挫折の上塗りを回避できるようにしておくとよいかもしれません。
また不登校、ということになると、さらに深く傷を負い、苦しむ時期が長引きます。
「行ってみる」は、「行かなくてもいい」とセットにしてチャレンジできると、安心です。
無理をしている場合に、すぐに引き返せるので。
お子さんの進路を思い、どうしても親は「学校に行ってほしい」と願いがちです。
もちろん、それは悪いことではありません。
ただ、子どもはそういう親の気持ちを慮って、本心からではなく、「行ってみようかな」と言うことも多いことを、心に留めておいてほしいと思います。
1日で行かなくなったり、2日で行かなくなったりしても、「行くって言ったのに」と責めるのではなく、「行かなくてもいいよ」と受け止めてほしいと思います。
子どもの心を、これ以上壊れていくことから守るために。
先日、心理カウンセラーとして約50年、不登校の子どもに関わってきた内田良子さんのお話を聞く機会がありました。
「(親が)『行かなくていい』というのが、遅すぎるのよ」
と憤るかのようにおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
50年にわたり、子どもの傷みに寄り添ってきた内田さんのコトバには、ドシンとくる重みがありました。
フライングするぐらいの気持ちで、「行かなくてもいい」と伝えられると、ちょうどよいのかもしれません。
「行かない」選択の先は、たしかに楽ではありません。
「学校」というレールの上を走っているより大変です。でも、道はあります。
心を壊して「絶望」の淵に陥ってしまうよりは、ずっと楽だと思います。
心配な時には、不登校の居場所や親の会などで、ぜひ、同じ立場の方とつながってみてくださいね。
希望が見えてくることと思います。
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