「行かなくていい」と言ってもいいのでしょうか?

「行かなくていい」と、言ってもいいのでしょうか?

登校しぶりや不登校の相談で、そんな声を聞きます。

保護者に「教育を受けさせる義務」はあっても、子ども自身に「学校に行く義務」はありません。
だから、本人が「行きたくない」というのなら、行かなくていい。
でも、迷いますよね。悩みますよね。

なぜなら、心配だから。
勉強はどうなるの?社会性は身につくの?
学校に行かないと、どうしたらいいの?

たしかに学校は、国語数学理科社会…のように知識や技能を習得し、集団生活の中で社会性を身につけ、生きていくための力を培うところです。
でも、「行きたくない」となっている状態では、学校に行ってもそうしたことは身につかないでしょう。不安や不快感でいっぱいで、それどころではないからです。
それだけでなく、心身にダメージを受けていく。
だから、「行きたくない」となったら、「行かない方がいい」と思います。
大事なことは、「学校に行くか行かないか」ではなく、「知識や技能や社会性をどう身につけるか」です。
そして、「問題」は、子どもでも親でもなく、学校がこれだけたくさん「不登校」を生み出しているのに、他の選択肢が十分用意されていないことだと私は思います。
だからまず、親御さんは、子どももご自分も責めないでくださいね。
さて。ではどうするか。
「どうしたら学校に行かせられるか」でなく、「どうしたら学びにつなげられるか」を考えてみませんか。お子さんはなぜ、学校がしんどかったのでしょうか。
勉強に困難を抱えているのか。
興味や関心はどこに向いているのか。
コミュニケーションに難しさはないか。
同級生との関係に無理がないか。
どこにしんどさがあるのか。そこに目を向けたら、道が見えてくると思います。
(子どもに「聞きだす」のではなく)
学校に「ずっと行かなくていい」とは思いませんが、立ち止まることは必要です。
無理して学校に行く期間が長くなると、傷つきが深まり、立ち止まる期間が長くなります。
「『行かなくていい』というのが遅い!!!」

何十年も不登校に関わってきた専門家の方の憤りの声を、いつも思い出します。

「(いったん)行かなくていい」。
(  )の中を心の中に置いて、声をかけられるといいですね。
行かなくても将来が閉ざされるわけではないのですから。
ちょっとルートがかわるだけで、お子さん本来の道につながっていくことと思います。

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